
シリーズ方式ハイブリッドシステムを搭載した「e-POWER」の追加設定で、一気にエコカーの仲間入りをしたのが日産 ノートです。
販売台数では、トヨタ アクアと熾烈な首位争いを演じており、これまでハイブリッド車で首位を独走してきたトヨタ勢に割って入るなど、ノートの快進撃は止まりません。
今回は、ライバル関係にある日産 ノートとトヨタ アクアについて、価格面、取り回し、燃費の各項目の徹底検証を行っていきます。
Contents
価格比較 日産 ノートe-POWER VS トヨタ アクア

出典:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note/exterior_interior.html
まずは、価格面の比較ですが、日産 ノートe-POWERの最廉価グレードは「e-POWER S 2WD」です。
このグレードが最も燃費のいいグレードで、メーカー希望小売価格が1,901,880円(消費税込)となります。
上の写真がそのSグレードの内装ですが、後部座席が6:4分割にならず、リアにパワーウィンドウも付いていないため、快適性を求めるなら1つ上の「X」グレードを選ぶことになります。
Xグレードの価格は2,021,760円(消費税込)となり、燃費もSグレードの37.2 km/Lから34.0km/Lにダウンです。

出典:https://toyota.jp/aqua/interior/?padid=ag341_from_aqua_navi_interior
一方のトヨタ アクアですが、最廉価グレードは「L 2WD」で、 1,785,240円(消費税込)となります。
この「L 2WD」が、38.0km/Lという驚異的な燃費をたたき出すグレードとなり、上の写真がその内装になります。
しかしながら、ノートe-POWERのSグレードと同じく、リアにパワーウィンドウがついておらず、リアシートも一体可倒式となるなど、燃費スペシャルバージョンとして買わない限り、装備的には不満が残ります。
ちなみにアクアの下から2番目の「S」グレードの価格は1,886,760円ですが、燃費も34.4km/Lまでダウンします。
価格面の比較では、最廉価グレードどうしを比べると、トヨタ アクアの方が11万円以上、その上のグレードでも13万円以上安くなり、アクアに軍配が上がります。
さすがはハイブリッドで日本を牽引してきたトヨタといったところでしょうか。
あとは、この価格差をどうみるかという点です。
ノートe-POWERには、「NORMALモード」、「e-POWER Drive Sモード」、「e-POWER Drive ECOモード」の3タイプの走行モードが用意されています。
「e-POWER Drive」の2つのモードでは、アクセルペダルを戻すだけで強く減速するので、上手に使えばペダルの踏み替えが減って疲労が軽減されますし、ノートe-POWERの方がガソリンエンジンで駆動しない分、静粛性の面でも有利です。
取り回し比較 日産 ノートe-POWER VS トヨタ アクア

出典:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note/specifications.html
車の取り回しには、車体の大きさやハンドルの切れ角など、様々な要素が関係します。
ノートe-POWERとアクアはともに5ナンバーサイズであるため、全幅はどちらも1,695mmですが、上の画像にあるように、ノートe-POWER全長は4,100mmとなります。
ただし、最小回転半径は5.2mでコンパクトカーとしては少し大きめです。

出典:https://toyota.jp/aqua/grade/l/?padid=ag341_from_aqua_grade_l_detail
一方のアクアですが、全長が4,050mmとほぼ互角ですが、最小回転半径が4.8mで、ノートe-POWERに大きく差をつけています。
ただし、ノートe-POWERが全グレード共通で最小回転半径が5.2mであるのに対し、アクアは「Crossover」を選択すると5.4mとなり、逆転してしまうので注意が必要です。
全高については、ノートe-POWERが1,520mmでアクアが1,455mmなので、両車ともに都市部の立体駐車場は利用できるため、実質的な差はほとんどないと言えます。
燃費比較 日産 ノートe-POWER VS トヨタ アクア

出典:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note/performance.html#e-POWER
ノートe-POWERは、シリーズ式ハイブリッドと呼ばれるパワートレインを採用しています。
1.2リッターのガソリンエンジンをボンネット内に搭載していますが、このエンジンは発電専用で駆動が直接伝達されることはありません。
エンジンに直結しているのは発電モーターで、通常走行時はそこから駆動用バッテリーに充電をし、駆動用バッテリーが駆動モーターを動かす仕組みです。
急加速時には、発電モーターと駆動用バッテリーの両方から駆動モーターに電力が送られて、さらに出力を高めるように設定されており、最高出力は80kW(3,008-10,000rpm)、最大トルクは254N・m(0-3,008rpm)を誇ります。
注目の燃費は、Xグレードが37.2 km/L、Sグレードが34.0km/Lとなります。

出典:https://toyota.jp/aqua/performance/eng_hv/?padid=ag341_from_aqua_perf_performance_eng_hv
アクアのパワートレインは、THSⅡ(TOYOTA Hybrid System Ⅱ)と呼ばれるもので、シリーズパラレル方式となります。
これは、エンジンの動力を動力分割機構で2分割し、車輪の駆動と発電の両方が可能になります。
低速トルクが大きいモーターと高速走行が有利なエンジンを使い分け、余剰なエネルギーは発電に使用することで、さらに燃費効率を上げています。
ハイブリッドシステムの最高出力は73kWで、最大トルクは公表されていません。
気になる燃費は、最廉価グレードのLで38.0km/L、下から2番目のSグレードで34.4km/Lとなります。
燃費については、両車ほぼ互角というところです。
ただし、出力的にはノートe-POWERの方が若干上ですし、エンジンを駆動に使わない分、静粛性の観点でもノートe-POWERの勝ちになります。
日産 ノート VS トヨタ アクア 価格・取り回し・燃費を徹底比較まとめ
以上、日産 ノートとトヨタ アクアについて、価格・取り回し・燃費の観点から比較してきました。
価格面ではアクアに軍配があがりますが、あとはシリーズ方式ハイブリッドシステム「e-POWER」にどれだけの付加価値を見出すかという点です。
車体のサイズはほぼ互角ですが、最小回転半径ではアクアがノートを40cm上回っています。
燃費についてもほぼ互角となり、あとはユーザーの使い方や使用状況次第といったところです。
両者の違いは、ガソリンエンジン直接駆動に伝達されるかどうかという点です。
販売面では、ノートe-POWERは「e-POWER Drive」などの新しい走行モードを全面に出す作戦が成功しています。
スペック的な差はほとんどないため、両車を乗り比べて、実際の静粛性や走行フィールを確かめることが重要です。